プロ野球の年間シートの購入費用

  1. HOME
  2. ブログ
  3. プロ野球の年間シートの購入費用

プロ野球は日本の国民的娯楽スポーツとして、世代や性別を問わず、広く楽しまれています。法人でもプロ野球の年間シートを購入することが珍しくありませんが、このような年間シートの購入費用は税務上どのように扱われるのでしょうか。

接待交際目的でプロ野球の年間シートを購入した場合、税務上は交際費として扱われることになりますし、従業員の福利厚生目的で利用されている場合には、福利厚生費として扱われることになります。但し、専ら役員のみが利用しているようだと、役員給与との指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。

ところで、プロ野球の年間シートの販売は、前年のペナントレースが終了した頃あたりから販売が開始されていますが、年間シートの購入費用を法人の損金として計上することができるのはいつの時点になるのでしょうか。シーズン開始前の段階では、年間シートの購入費用は単なる「前払金」なので、損金算入することはできません。また、交際費として処理する場合、「接待等の行為があったとき」との定めがあるので、「どうやって処理するのか?」「試合毎に分けるのだろうか?」など少し悩みそうな部分も隠されています。

実務上は、シーズン途中に解約しても解約期間に応じた席料が返金されるものとは考えられないことから、特別な事情がなければ、その球場で開幕戦が行われた日の属する事業年度において「損金」に算入するものと考えられています。消費税についても同様で、年間シートの購入費用に含まれる消費税については、開幕日に課税仕入れがあったものとして扱われることになります。

そうやって考えてみると、プロ野球の開幕が4月初めではなく「3月末」になっているのも何か意味があるのではないかと思ってしまいます。日本の多くの法人は3月決算法人ですから、3月末に開幕すると、その年の年間シート購入費用を交際費や福利厚生費として損金に算入できますからね。試合の多くが4月以降に実施される予定でも、3月末までに損金算入できるのであれば節税対策としても使い方も可能になりそうです。